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wandering darkness
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2004/04/18 (日)
眼に映る姿


今日も彼の部屋へ遊びに行った。
佐伯と河野の事を、彼に相談してみた。

彼は「佐伯さんって子は、良い奴だなぁ」と感心した様に言った。

だってよ。
教師にチクったのがバレたら、次の生贄は自分だぜ?
それも河野って子の親にまで知らせてるんだろ?
そんな事、友達でも無い奴のために、なかなか出来ないぜ?

私は「そうだね」と言った。

私が佐伯の立場だったら。
先生に言えるだろうか。
バレたら。
次は自分の番かも。
怖い。
けれど終わった事。

私は「仲良くなれる方法を、相談してるんだってば」と言った。

彼は「男同士だったら無理だな」と言って、ベッドに座った。

少なくとも、河野って子は知ってるはずだ。
佐伯って子が、家に電話して来て居るんだからな。
そこで親に否定してるんだよな。
つまり、佐伯って子の気持ちを無にした訳だ。
佐伯って子は、リスクを覚悟で行動してるんだぞ?
河野って子に呆れるよな。
今更、友達になれると思えねぇけどな。

彼は「河野って子が、終わった事と思えるかなぁ」と言った。

私は、思えないかも知れないと思った。

皆が知ってる「私の記憶に無い記憶」から逃げた。
同じ中学の子が、誰も行かない高校を選んだ。

私は、そんな奴だ。

私の眼に映る二人の姿。

佐伯操の眼に映る河野真由美の姿。
河野真由美の眼に映る佐伯操の姿。

きっと、全く違うんだ。

彼は「ひかるは佐伯とは友達なんだよな」と言った。
「でも、河野って子の事は、殆ど知らないんだよな?」

私は頷いた。

彼は「そこが解らないんだよな」と言った。

どうして仲良くなって欲しいのか。
解らない。

私は、どうして?



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