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wandering darkness
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2004/04/08 (木)
桜の花の満開の下


何処の学校でも、桜を植えて居るのだろうか?

そんな事を考えながら、校門を潜った。

この学校にも桜が植えられて居た。
何本も。
空が見えない位、見上げる様な大きな桜だった。

髪に落ちた花弁は白い。
遠くに見える桜は赤い。
不思議な花。

ふと、思い出した。

「桜の木の下には死体が埋まって居る」

この学校では、冗談に聞こえ無いかも知れない。
昔、処刑場だったらしい。

私は新入生の群れと一緒に、講堂へ行った。

名前を呼ばない略式で良かった、と思った。

私は、名前を呼ばれるのが苦手。
「最上ひかる」
漢字で書くと、性別が解らない名前だ。
普段は、平仮名で書く事にして居る。

彼も今頃、入学式の最中だと思った。

バンドエイドを貼った手のひらが、痛んだ。
彼氏とペアの十字架のネックレスで、自傷した痕。

悪い事をしてしまった。

これは、私が自傷するために買ってくれたものでは無い。

十字架に附いた血は、黒くなっていた。
洗ったけれど、残ってしまった。

彼の十字架は綺麗。
私の十字架は血で穢れた。

彼は私を必要だと言ってくれる。
私は、その言葉を信じ切れないまま、付き合って居る。

私には、彼が必要だから。

同じ速度で歩きたい。
同じ高さで世界を見たい。

今の私と彼は陰陽。



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