この人格は、一度、自殺を図りました。
その時「綾乃」は15歳で、レイプの記憶を持っていました。
私のカッターナイフで手首を切りました。
父さんが見つけた時は、部屋が血の海だったそうです。
外科で縫ってもらった後、精神科に行きました。
PTSDによる自殺願望と言う診断結果でした。
入院中、ずっと「綾乃」が治療を受けて、私達は中で見ていました。
1年半かけて自殺願望は収まりましたが、自宅に戻ってからもフラッシュバックに悩まされて、苦しんでいました。
「樹」という人格が監視について、「綾乃」が自殺を図ろうとするたびに止めました。
交通事故に遭って「綾乃」も変わりました。
命の尊さを知ったんです。
それから「自殺は最大の罪」と言うようになりました。
すると年齢が上がって、今は30歳近くです。
表情も柔らかくなって、誰かが自殺をほのめかすと必ず止めます。
手首の傷跡は「私の罪の証です」と言います。