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イデアの世界

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2004-01-20 前世の記憶・フランス革命

私はフランスの男性でした。

この記憶は、私にとって最も大切な記憶です。

8歳の時「髪の短い綺麗なお姉さん」に会いました。

この「お姉さん」が、あのジャンヌ・ダルクだったんです。

少年の私は、彼女が戦場で戦っているなんて、想像できませんでした。

あの優しい笑顔のお姉さんが、と信じられませんでした。

火刑にされると聞かされて、ありえない、と思って、刑場へ行きました。

現代の映画などでは、彼女は炎の中で苦しんで死んでいったように描かれていますが、違います。

最初は藁のようなものが山積みにされていて、中に彼女がいる、と教えられました。

私は、別人ではないか、と思いました。

火が付けられても、燃え上がらなかったんです。

しばらくして、処刑人が藁を外しました。

取り替えるつもりだったのか、それは分かりませんでした。

中には、確かに彼女がいました。

けれど、眠っているように安らかな表情で、息が絶えていました。

その表情は、8歳の時に見た彼女と変わっていませんでした。

私は、彼女の死後、大人になって戦いました。

死を恐れる気持ちはありませんでした。

大人の男になった私は「あの少女が戦ったのだ」と思えば怖いなんて思いませんでした。

私の中の聖女ジャンヌ・ダルクは勇敢な女性ではなくて、生涯にわたって忘れられなかった初恋の女性です。

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