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私は東ドイツの男性でした。
手紙の中で、届いていないものがある、と気づいていました。
こちらからの手紙も、何割が彼女の手に渡っていたのか分かりません。
それでも、彼女の手紙に書かれている西ドイツの世界に憧れました。
彼女がいるから、それだけでは無かったんです。
豊かで自由な国を思い描いて、彼女に会いたいと思っていました。
私は壁を越えようと決めました。
けれど、射殺されてしまいました。
私は壁から落ちながら思いました。
何故、会いたい人に会えないのか。
何故、行きたい国に行けないのか。
何故、幸福を求めてはいけないのか。
地面に倒れて、意識は消えました。
ベルリンの壁崩壊の日、テレビで映像を観ていると、涙が溢れました。
これが本来のあるべき姿だったのだと感じました。
あの時代は間違っていたんだと、そう思いました。