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イデアの世界

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2004-01-23 前世の記憶・吉原

とても貧しくて、11歳で奉公に出される事になりました。

すでに、姉が13歳の時に奉公に出ていて、時々「御土産」を持って帰って来て、楽しそうに笑っていました。

姉は奉公している家から、お嫁に行って幸せになったので、むしろ喜んでいました。

けれど不思議に思う事が起こり始めました。

代金の「米俵」が姉の時よりも多く、小判まであったんです。

自分が姉より価値があるとは思えませんでした。

船に乗せられた人は、私と同じくらいか、当時の感覚で、大人と呼べるのは15歳の人くらいでした。

船の中で、名前を「よね」から「菊市郎」に変えられました。

通行手形を見せた船乗りと役人との会話を聞いていると、船に乗っているのは全て男性だと言っていました。

吉原に着いても、どういう事が自分の身に起こっているのか、判っていませんでした。

最初は現代で言う「家事手伝い」のような事をしていました。

13歳から礼儀作法や日本舞踊を勉強させられました。

仕事はしなくても良いのかな、というような事を考えていました。

14歳の頃、客を取るように言われました。

意味も判らないまま、ただ痛かったのを覚えています。

これが新しい仕事なのだ、と言われて怖くて逃げようとしました。

すぐ捕まってしまって、縄で縛られて、閉じ込められました。

空腹に耐えられなくなった時、おにぎりをもらいました。

とても美味しく感じられました。

新しい仕事をすれば好きなものが食べられるけれど、しないなら飢えて死ぬ、と言われました。

私は新しい仕事をすると答えました。

15歳の時、妊娠してしまいました。

すると、お腹を散々蹴られて、赤ちゃんは死にました。

この事は、当時の私には意味が判らなくて、他の遊女に「普通の事」と言われて納得しました。

その後も新しい仕事を続けようとしましたが、痛くてできなかったんです。

困っていると、新しい仕事だと言われて、綺麗な着物を着せてもらいました。

着いた家は、武家の家でした、

そこで私が「酒の肴」として、余興で嬲殺しになりました。

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